相談者クラリネットの上管に、髪の毛みたいな細い線を見つけてしまいました。これって割れですよね……どうしたらいいですか?
クラーロまず、吹くのをやめてそのままの状態にしてください。ヒビは早い段階なら小さな処置で止められることが多いんです。この記事で対処法を順番に説明しますね。
木製クラリネットの管体のひび割れ(クラック)は、見つけた瞬間に血の気が引くトラブルです。しかし、正しく対処すれば多くの場合きちんと修理できます。怖いのはヒビそのものより、間違った応急処置と放置です。
この記事では、クラリネットが割れる原因、見つけたときにやるべきこと・やってはいけないこと、修理費用の目安を、管楽器修理センター クラーロが解説します。
先に結論:ヒビを見つけたら「吹かない・さわらない・接着剤を使わない」の3つを守って、そのまま点検にお出しください。クラーロの管体割れ修理は税込6,600円〜。早期なら小さな処置で進行を止められることが多いです。
クラリネットはなぜ割れるのか
クラリネットの管体に使われるグラナディラは、密度が高く美しい音色を生む一方、温度と湿度の変化に敏感な木材です。割れの引き金になるのは、主に次の3つです。
- 急な温度変化:冷え切った楽器に暖かい息を吹き込むと、管の内側だけが急に膨張して、外側との間にひずみが生まれます。冬場に割れが多いのはこのためです
- 乾燥:暖房の効いた乾燥した部屋やエアコンの直風は、木の水分を奪って収縮させます
- 木の個体差・使い始めの時期:新しい木の楽器ほど環境変化に敏感で、購入から1〜2年は特に注意が必要といわれます
つまり、割れは「使い方が悪い」から起きるとは限りません。丁寧に使っていても、季節の変わり目に突然見つかることがあります。ご自身を責める必要はないので、落ち着いて対処しましょう。
ヒビを見つけたときに、やるべきこと
- すぐに吹くのをやめる
- ヒビの位置と長さがわかる写真を撮る
- ケースに入れて、温度変化の少ない場所に置く
- 写真を添えて修理店に相談する
ヒビは、吹くたびの水分と温度変化で確実に進行します。「まだ音が出るから」と使い続けるのがいちばん危険で、トーンホールや接合部までヒビが達すると、修理の規模がひと回りもふた回りも大きくなります。
絶対にやってはいけないこと
- 瞬間接着剤を流し込む
- テープでぐるぐる巻きにして吹き続ける
- 自分でヒビを広げて確かめる
- 急いで温めたり冷やしたりする
相談者ネットで「瞬間接着剤で応急処置した」という話を見たのですが、ダメなんですか?
クラーロおすすめできません。接着剤が木の内部まで染み込むと、あとから専門店で修理するときに除去がとても難しくなるんです。結果的に修理費用が膨らむ、いちばんもったいないパターンですね。
市販の接着剤は、木材用であってもクラリネットの修理には向きません。染み込んだ接着剤は正規の修理の妨げになり、「応急処置をしなければ簡単に直せたのに」という状態を作ってしまいます。
修理の方法と費用の目安

ヒビの修理は、進行度によって方法が変わります。
| ヒビの状態 | 主な修理方法と費用(税込) |
|---|---|
| 浅く短いヒビ | 接着・充填で進行を止める。6,600円〜 |
| 長いヒビ・貫通しかけ | 充填に加えてピン留めなどの補強。状態により見積もり |
| トーンホールに達したヒビ | 周辺のタンポ調整までセットの作業。無料見積もりでご案内 |
※楽器の状態によって変わります。くわしくはクラリネット修理のページをご覧ください。修理後は、割れた箇所が目立ちにくいよう丁寧に仕上げます。
割れを防ぐ日ごろの習慣
割れのリスクは、次の習慣でぐっと下げられます。
- 冷えた楽器は、ケースごと室温に30分なじませてから吹く
- 吹き始めは低音からゆっくり。いきなり強く吹き込まない
- 吹き終わったらスワブで水分をしっかり取る
- 暖房・エアコンの風が直接当たる場所に置かない
- 乾燥の強い部屋では、ケース内加湿剤を用法どおりに使う
冬場の管理については、こちらの記事でさらにくわしく解説しています。

割れやすい場所と時期を知っておく
ヒビがよく見つかるのは、上管の上部(マウスピース側)です。息の水分と温度がいちばん強く当たる場所で、トーンホールやポスト(キイの支柱の根元)の周辺は構造的に力が集中するため、ヒビの起点になりやすいポイントです。
時期としては、暖房を使い始める晩秋から真冬、そして空調の効いた室内と屋外の寒暖差が大きい時期に集中します。この時期は、練習前の「楽器を室温になじませる時間」を意識するだけでリスクが大きく下がります。
修理した楽器はどうなる?音と見た目の話
「割れた楽器はもう元の音では鳴らないのでは」と心配される方が多いのですが、適切に修理されたヒビが演奏に支障を残すケースはまれです。充填・接着した箇所は木材と一体化するよう仕上げるため、見た目にもほとんど目立たなくなります。
むしろ音への影響が大きいのは、ヒビを放置して吹き続けることです。ヒビから息が漏れ始めると音はかすれ、進行すればトーンホールの変形やタンポの密閉不良まで連鎖します。
オーボエ・ファゴットなど、他の木製楽器も同じです
割れへの対処は、同じグラナディラ系の木材を使うオーボエ、メープル材のファゴットでも基本は共通です。特にオーボエは管が細く肉厚が薄いため、ヒビの進行が早い傾向があります。ダブルリード楽器の割れも同様に、「吹かない・さわらない・そのまま相談」でお願いします。
木製リコーダーや古い木製フルートなど、「これも見てもらえる?」という楽器も、まず写真でご相談ください。
よくある質問
- ヒビではなく「木目」かもしれません。見分け方はありますか?
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木目とヒビは見分けが難しいことがあります。爪で軽くなぞって段差を感じる、線が徐々に伸びている、という場合はヒビの可能性が高いです。判断に迷ったら写真をお送りください。写真である程度判断できます。
- 割れたクラリネットは、修理すれば音は元に戻りますか?
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適切に修理すれば、演奏に支障のない状態に戻せるケースがほとんどです。仕上がりの見込みは、状態を拝見した際に率直にお伝えします。
- 樹脂製(プラスチック管体)のクラリネットも割れますか?
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樹脂管体は木製より割れにくいですが、衝撃によるひび・破損は起こります。同様に修理のご相談が可能です。
- 修理にはどのくらいかかりますか?
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ヒビの長さと場所によって変わるため、見積もりの際に目安をお伝えします。演奏会など期日がある場合は先にお知らせください。
まとめ:ヒビは「早く見せる」が最善手です
クラリネットの割れは、早期発見・早期修理なら小さな処置で止められることが多いトラブルです。「吹かない・さわらない・接着剤を使わない」を守って、そのままの状態でご相談ください。
管楽器修理センター クラーロでは、ヒビの写真を送っていただくだけで、無料でおおよその修理内容と費用をご案内しています。店頭持ち込みのほか、全国からの宅配修理にも対応しています。修理費用の全体像は、こちらの記事も参考にしてください。

相談者わかりました。まず写真を送ってみます。梱包して送るときの注意はありますか?
クラーロヒビのある楽器は、いつも以上に温度変化を避けたいので、緩衝材を多めに入れて送ってください。梱包のコツは見積もりのお返事の際にご案内しますね。











